ミニマリストは本をどうしてる?紙の本を1冊にした話

ミニマリストは本をどうしてる?紙の本を1冊にした話 読書術・習慣

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本が好きだから、どんどん増えていく。
でも部屋には限りがある——そんな悩みはありませんか。

かつて図書館司書として、毎日たくさんの本に囲まれていた私。
今、手元にある紙の本は1冊だけです。

本を減らしても、読書量は減りませんでした。
むしろ以前より読むようになったくらいです。

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』を読んで考えた、本好きのための「本の減らし方」をお伝えします。

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』はどんな本?

  • 著者:佐々木典士
  • 出版社:ワニブックス
  • 副題:断捨離からミニマリストへ

16万部を突破し、世界17カ国で刊行されたベストセラーです。
著者自身が「モノを持たない暮らし」に至るまでの過程と、そこで手に入れたものが率直に語られています。

本書の構成

「なぜ、ミニマリストが生まれたのか」という背景から始まり、「なぜ、モノをこんなに増やしてしまったのか」と原因を掘り下げ、そのうえで「捨てる方法」が具体的に紹介されます。

後半は、モノを捨てて著者自身がどう変わったか、そして「幸せに『なる』のではなく『感じる』」という話へ。

捨て方のノウハウ本というより、なぜ私たちはモノに縛られるのかを考える本、という印象でした。

ミニマリストは「捨てる人」ではなかった

正直に言うと、読む前の私は「ミニマリスト=とにかくモノを捨てる人」だと思っていました。
でも本書を読んで、その理解が変わりました。


 「自分が本当に『必要』なモノがわかっている人。
大事なものが何かわかっていて、それ以外を『減らす』人」

――佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス)

大事なのは「捨てること」ではなく、「大事なものが何かわかっていること」。

本書には、ミニマリズムは目的ではなく、それぞれが違う大事なものを見つけるための手段だ、という趣旨のことも書かれています。

つまり——何を残すかは、人によって違っていい。

この一点が分かったことで、私はこの本を安心して読み進めることができました。

「本棚を自分だと思い込んでいた」という告白

本書の中で、いちばん考えさせられたのがこの部分でした。

著者は、かつて自分の本棚を「自分そのもの」だと思い込んでいたと振り返っています。

読んでいて感じたのは、それは見栄だったのではないか、ということでした。

「こういう本を読む人間だ」と、自分を大きく見せるために本を持つ。
棚に並ぶ背表紙が、自分の価値を証明してくれる——

そんな感覚だったのかもしれません。

でも、そのとき本当に本を楽しめていたのでしょうか。

なぜ、私は紙の本を1冊にできたのか

冒頭でも書いたとおり、私の手元にある紙の本は1冊です。

では、なぜ減らすことができたのか。

理由のひとつは、電子書籍に移行したことでした。

そして電子書籍には、ある特徴があります——

本棚のように、誰かに見せることができない。

だからそこに並ぶのは、「見せるための本」ではなく「自分が読みたい本」だけになります。

本棚を持つことが悪いわけではありません。
本に囲まれた部屋の幸せも、よく知っているつもりです。

ただ、「誰かに見せるため」に本を持っていないか——
そう問い直してみる価値は、あるのかもしれません。

モノを減らすと、時間が増える

本書の中で、もうひとつ心に残ったのが「時間」の話でした。

心理学者ティム・キャサーの研究として、
幸せに直結するのは「時間の豊かさ」であって、「物質の豊かさ」ではない——

そんな話が紹介されています。

モノを減らせば、確実に時間は増える。
探す時間、片づける時間、手入れをする時間、そして「どれを使おうか」と迷う時間。

モノに奪われていた時間が、手元に戻ってくるのです。

本を減らしたら、本が近くなった

これを読んで、思い当たることがありました。

紙の本を持っていた頃、読みたいと思っても、その本が手元にないことがよくありました。

「家に帰ったら読もう」と思っているうちに、その気持ちも薄れてしまう。

でも電子書籍に移ってからは、本棚がいつでも近くにある——
そんな感覚があります。

通勤中も、待ち時間も、思い立ったその瞬間に本を開ける。
本を減らしたはずなのに、本はむしろ近くなった。

そして読書の時間も、自然と増えていきました。

読書から離れていた頃の話は、『本を読まなくなった私が、また月3〜4冊読めるようになった3つの方法』の記事に書いています。

本を減らす、5つの方法

ここからは、本好きの私が実際にやってみて効果のあった方法をご紹介します。

いきなり「捨てる」から始めなくて大丈夫です。
まずは「これ以上増やさない」ところから。

① 電子書籍に置き換える

いちばん効果があったのは、これでした。

新しく買う本を電子書籍にするだけで、本は物理的に増えません。
そして先ほど書いたように、本はむしろ近くなります。

読み放題のサービスを使えば、そもそも「所有しない」という方法もあるようです(私はまだ試せていませんが、本を増やさずたくさん読みたい方には合っているかもしれません)。

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② 耳で聴く読書という選択肢

もうひとつ、本棚が1ミリも増えない読書があります。

オーディオブックです。

実際に試してみたのですが、家事をしながら、通勤しながら、物語を楽しむことができました。

モノを持たずに読書ができる——ミニマリズムとの相性は、実はかなり良いのかもしれません。

実際に聴いてみた感想は、『【第169回芥川賞受賞作】『ハンチバック』をAudibleで聴いた感想|元図書館司書が考える”読書の形”』の記事にまとめています。

③ 図書館を「自分の本棚」にする

意外と見落とされがちなのが、図書館という選択肢です。

読みたい本を、所有せずに読む。
考えてみれば、これ以上ないミニマルな読書かもしれません。

そして図書館には、話題の小説はもちろん、その地域のことをまとめた郷土資料まで、実にさまざまな本が並んでいます。
書店やネットではなかなか出会えない一冊が見つかることも。

棚を歩きながら、気になった本を一冊借りてみる。

所有しないからこそ、気軽に手を伸ばせるという良さもあります。

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ただし、話題の新刊は予約が殺到して、なかなか借りられません。
「読みたい今」に読みたい本は、買ってしまうのが結局は早いこともあります。

④ 手元に残す本の基準をつくる

そのうえで、手元に残す本を決めます。

私の基準は、シンプルにこの2つです。

  • 定期的に読み返すもの(すぐ手に取れる場所に置きたい本)
  • 電子書籍になっていないもの

この基準にしてから、迷わなくなりました。

「いつか読むかも」で残していた本が、実はほとんど読み返していなかったことにも気づきました。

そして——手放すと決めたなら、早めに動くのがおすすめです。

私も何度か売りに行きましたが、正直に言うと持っていくのがなかなか面倒でした。

⑤ そして、全部を減らさなくていい

最後に、いちばん大事なことを。

本書には、ミニマリズムは目的ではなく、それぞれが違う大事なものを見つけるための手段だ、という趣旨のことが書かれています。

つまり、何冊にするかは人によって違っていい。

私は紙の本を1冊にしましたが、それが正解だとは思っていません。
本棚いっぱいの本に囲まれる幸せも、よく知っているつもりです。

大事なのは冊数ではなく、「自分にとって大事な本は何か」が分かっていること。

それさえ分かっていれば、10冊でも1000冊でもいいのだと思います。

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比べることをやめる

本書を読んでいて、思わず立ち止まった一文があります。


 「一瞬で不幸になれる方法がある。
それは自分を誰かと比べてみることだ」

――佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス)

モノを増やしてしまう理由のひとつは、誰かと比べることにあるのだと本書は言います。

自分の価値を、持っているモノで証明しようとしてしまう。

先ほどの「本棚を自分だと思い込んでいた」という話も、きっと同じ根っこから来ているのでしょう。

SNSを見て落ち込んでいた頃のこと

この一文を読んだとき、以前書いた記事のことを思い出しました。

SNSをダラダラと眺めていた頃、私はなぜか気分が落ち込んでいました。
理由は単純で、他人の生活が輝いて見えて、自分と比べてしまっていたからです。

比べることをやめると、心は驚くほど軽くなります。

そして——他人ではなく自分と向き合う時間として、私が選んだのが読書でした。

本を減らすことと、比べることをやめること。

一見関係なさそうですが、根っこは同じなのかもしれません。

まとめ

  • ミニマリストは「捨てる人」ではなく、大事なものが分かっている人
  • 本を減らしたら、本はむしろ近くなった
  • 電子書籍・聴く読書・図書館——所有せずに読む方法はある
  • 何冊にするかは、人によって違っていい

かつて本に囲まれて働いていた私の手元には、今、紙の本が1冊だけあります。
でも読書は、以前よりずっと近くにあります。

本を減らすことは、本から遠ざかることではありませんでした。

本が増えて困っている方も、どうか焦らずに。
あなたにとって大事な一冊が分かっていれば、それでいいのだと思います。

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