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SUPER BEAVERの音楽は、以前から知っていましたが、ボーカルの渋谷龍太さんが小説を書いていることは知りませんでした。
『都会のラクダ』は、渋谷さんが書き下ろした長編小説です。
描かれているのは、ひとつのバンドが歩いてきた道のりでした。
読み終えて驚いたのは、歌詞で受け取っていたあの感じが、文章でもそのまま届いてきたことでした。
どんな本なのか、順にお伝えします。
『都会のラクダ』はどんな本?
- 著者:渋谷龍太(SUPER BEAVER)
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2021年11月26日
- SUPER BEAVER結成15周年に際して書かれた長編小説
- もとはブログで綴られていたものに大幅な加筆を加えて長編化された一冊
『都会のラクダ』のあらすじ
※本作は、SUPER BEAVERが実際に歩んできた道のりに沿った物語です。バンドの歩みをご存じの方には、すでに知っている内容も含まれます。
高校生だった渋谷さんが、SUPER BEAVERというバンドを結成するところから物語は始まります。
初めてのライブは、思い描いていたような華々しいものではありませんでした。
輝かしい初舞台を予定していたはずが、実際に立つことになったのは追悼ライブの場。
しかし数々の舞台を経験して、やがてバンドはメジャー契約へ。
けれど、そこで手にしたものと自分たちが本当にやりたかったこと。
そのあいだに少しずつ隙間が生まれていきます。
自分たちは何者なのか。
やりたかったのは、こういうことだったのか。
悩んだ末、彼らはメジャーを離れることに。
そこからは、アルバイトをしながらの活動でした。レコーディングを重ね、ライブを重ねる日々。
やがて夏フェスへの初出演、そして日本武道館でのライブへ。
物語は、彼らがもう一度メジャー契約を結ぶところまで描かれます。
心の中をそのまま書いたような文体
まず驚いたのは、文体でした。
思っていることを、そのまま文字にしたような口調。
飾らないし、格好つけない。そして、テンポがいい。
小説を読んでいるというより、渋谷さんが目の前で話しているのを聞いているような感覚に近いかもしれません。
歌詞で届いていたものが小説でも届いた
SUPER BEAVERの歌詞は、いつも真っ直ぐです。
遠回りをせずに、聴いている人のところまで届く。
私はそこが好きです。
そしてそれは小説でも同じでした。
迷いも、悔しさも、悩んだ末に決めたことも。
音楽で受け取っていたものと、同じ温度で伝わってきました。
表現の形が変わっても、この人が伝えたいことは変わらない。そう感じました。
忙しい人でも読める?分量と読みやすさ
分量は一般的な小説と同じくらいです。
ただテンポよく読み進められるので、ページ数ほどの重さは感じませんでした。
以前の記事で、忙しい人に大事なのは本の厚さより読みやすさだと書きました。
この本は、まさにそのタイプだと思います。

どんな人におすすめ?
<おすすめできる人>
- SUPER BEAVERの音楽が好きな方
- ひとつのバンドが、どうやって続いてきたのかを知りたい方
- 飾らない文章が好きな方
<合わないかもしれない方>
- SUPER BEAVERに全く興味がない人
- 純文学のような整った文章が好きな人
きれいに整えられた文章を期待して読むと、戸惑うかもしれません。
ただ、この本の良さは、整っていないところにあると思っています。
音楽は好きだけど、本はあまり読まないという方へ
「本を読みたいけれど、なかなか続かない」
そんな方こそ、好きな人が書いた本から入ってみるのはどうでしょうか。
知らない誰かの物語より、声を知っている人の物語のほうが、ずっとページが進みます。
私自身、本から離れていた時期がありました。
また読めるようになったきっかけも、大それたものではありません。

まとめ
- SUPER BEAVER結成15周年に書かれた、渋谷龍太さんの長編小説
- バンド結成から、メジャー契約、離脱、そして再契約までの道のり
- 心の中をそのまま書いたような、飾らない文体
- 歌詞で届いていたものが、文章でも同じように届く
音楽を聴いて好きになった人の、言葉。
それを今度は、文字で受け取ってみる。
そんな読書のかたちが、あってもいいのだと思いました。
感想|7人の作家が贈る書き下ろしアンソロジー.png)
