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『走れメロス』と聞いて、どんな話だったか思い出せますか。
私は正直うろ覚えでした。
親友を人質にしてメロスが走る。
覚えていたのは、そのくらいです。
そんなメロスが、今度は殺人事件に巻き込まれます。
しかも、友の元へ戻るまでのあいだに、謎を解かなければいけません。
題名のとおり、走っている場合ではないのです。
『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』はどんな小説?
| 著者 | 五条紀夫 |
| 出版社 | KADOKAWA(角川文庫) |
| 発売 | 2025年2月25日 |
| ページ数 | 272ページ |
| 構成 | 全5話 |
| 読了時間 | 約5時間(8日) |
身代わりになった親友を救うため、メロスは3日以内に故郷と首都を往復しなければなりません。
ところが、妹の婚礼の前夜。
メロスの羊小屋で、花婿の父親が死んでいるのが見つかります。
早く首都へ戻りたいメロス。
けれど、道中でも次々と事件に出くわします。
事件を解決しながら、メロスは走り続けます。
主な登場人物
| 名前 | 立場 |
| メロス | 主人公。親友を救うため、故郷と首都を往復する |
| セリヌンティウス | メロスの親友。身代わりとして首都に残る |
| イモートア | メロスの妹。16歳 |
| ムコス | 牧人。イモートアの結婚相手 |
| ギフス | ムコスの父親 |
| ギボア | ムコスの母親 |
| フェニス | 若い牧人 |
| コトダロス | 大工 |
第二話からは、メロスが走る道中で、話ごとに新しい人物が登場します。
名前を声に出して読んでみると、ちょっと笑えるかもしれません。
感想(ネタバレなし)
原作がうろ覚えでも大丈夫
最初は、本当の『走れメロス』ってどんな話だったっけ、と思いながら読み始めました。
でも第二話まで読むと、けっこう思い出せました。
原作の流れを追いながら、そこに事件が重なっていく作りになっています。
原作を読み返さなくても、十分楽しめます。
何度も出てくる「フィジカル」に笑う
クスッと笑ってしまったのは、メロスが何度も「フィジカル」という言葉を口にするところです。
ほかにも、羊の鳴き声と言葉をかけた言葉遊びがところどころに出てきます。
太宰治を思わせるパロディも隠れているので、探しながら読むのも楽しいです。
まっすぐなメロスに少しイライラする
メロスは、まっすぐな人です。
ただ、少し考えが足りないところがあります。
手が早くて、思い込みのまま動いてしまう。
それで過ちを犯す場面では、正直少しイライラしました。
でもそのまっすぐさがあるからこそ、メロスなのだとも思います。
謎解きには納得。驚きは控えめ
ミステリーとしては、トリックにきちんと納得できました。
ただ、仕掛けそのものには、そこまで驚きませんでした。
大きくだまされたい方よりも、コメディとして楽しみたい方に向いている本だと思います。
読書感想文に勧められる?——元図書館司書の答え
勧められると思います。
『走れメロス』は、中学2年生の国語の教科書に長く載ってきた作品です。
授業で読んだばかりの中学生なら、パロディの部分も含めて面白く読めるはずです。
原作と比べながら読めるので、感想文も書きやすいと思います。

どんな人におすすめ?
<合いそうな方>
- コメディが好きな方
- ミステリーが好きな方
- 『走れメロス』を授業で読んだばかりの中学生
<合わないかもしれない方>
- 原作の『走れメロス』が好きな方
おふざけの表現がかなり多い本です。
原作の世界観を大切にしたい方には、合わないかもしれません。
読了時間:約5時間、8日かけて
全5話で、1話1時間ほどでした。
夜更かしも寝落ちもせず、1日1話くらいのペースで読みました。
気軽に読み進められる本です。
同じく10月に読んだミステリー『探偵小石は恋しない』も、1章1時間ほどでした。
こちらは笑いながら読めるぶん、少し軽めに読み進められます。

Kindle Unlimitedで読みました
この本はKindle Unlimitedで読みました(2026年10月時点で読み放題の対象)。
Amazonでの表示は、2026年10月から「Kindle+」に変わりつつあります。
読み放題で読める小説は、こちらにまとめています。

まとめ
- 『走れメロス』のメロスが、走りながら事件を解決するミステリー
- 全5話。原作がうろ覚えでも、第二話あたりで思い出せる
- 「フィジカル」の連発と言葉遊びに笑える
- 謎解きには納得。驚きは控えめで、コメディとして楽しむ本
- 中高生の読書感想文にもすすめられる
- 原作が好きな方には、おふざけが多いかもしれない
走っている場合ではないのに、走るしかないメロス。
少しイライラしながらも、最後まで付き合ってしまいました。
